甲斐歯科医院

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2. 治療の流れ

 初診時のレントゲン写真では、自分の歯の多くを失い、歯根だけになった歯の残骸が沢山、写っているありさまが良く分かります。上顎は前歯が3本しか残っていなかったのに比べ、下の歯は比較的多く残っています。そのため、噛み合わせると、下の歯が上の歯ぐきにくいこみ、ほとんど満足に食事も出来なかった状態です。そのような状態ですから、噛み合わせの点でも本来もって生まれたものとは大きく異なり、顎関節症の疑いもありました。
 また比較的多く残っていた下の歯も、抜けた所を永く放置していた為に隣の歯が移動して斜めに傾いた歯があり、そのままでは入れ歯を入れることも出来ない状態でした。

 以上のような口の中の状態を健康にする為には、まずは基本的な歯の検診が必要となります。
 レントゲン検査や、コンピュータを使っての顎の動きの検査、また、顎関節の異常を調べる検査など、さまざまな検査が必要です。それらのデータを基にして治療計画をたて実際の治療にはいります。

 治療の第一段階はまず抜歯です。虫歯が進んで歯の根ばかりになった歯や、歯槽膿漏でグラグラになり役にたたなくなった歯は、すべて抜歯しました。
 次に虫歯の治療と、歯槽膿漏の治療です。歯槽膿漏をそのままにして義歯を作製したりしますと歯槽膿漏をさらに悪化させてしまいます。歯槽膿漏をなおして歯茎を健康にすることが先ず治療の基本になります。
以上のように基本になる治療から進めて行きます。
 次のステップは仮義歯の作製です。義歯を作製するに当たり、最も大事な基本は、その人が持って生まれた正しい噛み合わせを見つけだすことなのです。
さきほどお話しした筋電計やコンピュータを使って、元来もって生まれた噛み合わせを探しだし、それをもとにして、まず仮の入れ歯を作製します。
しばらくこの仮の入れ歯を使ってもらって、様子をみます。
 さらに、左下顎の傾いた歯を矯正する為に矯正装置を作製して歯列矯正を行い、約2ヵ月で歯がもとの状態に復元しました。
 そのように歯ならびをきれいな正常な状態にした後に、歯のぬけた部分にブリッジを作って装着します。
 一方、右下顎の抜歯した場所には、骨が固まるのを待ってインプラント(人工歯根)を植立します。
インプラントがまわりの骨と細胞レベルでくっつくまで約三か月かかります。その間はこのインプラントの部分に力がかからないようにしなければなりません。従って三か月後にこのインプラントの上にブリッジを作ってはめました。また、このブリッジの内部にはアタッチメントがついていて、必要に応じてインプラントからブリッジをはずしてインプラントの清掃が出来るようになっています。

インプラントの周りは定期的なクリーニングが必要です。

 このように一つずつ手順をふんで最後に上顎に本格的な義歯を入れる作業にはいります。
 上顎には自分の歯を三本ほど残せたので、その歯を利用してブリッジ(架橋義歯)を製作。このブリッジにはアタッチメントをつけ、はめはずし式の入れ歯の維持装置にしました。
 上顎の入れ歯はとれやすいので、このようなアタッチメントを使い、入れ歯がピッタリと残った歯にくっつくようにしてあります。このアタッチメント義歯は精密に作らねばならぬので多くの時間を要しました。

 最終的には、この入れ歯の噛み合わせを、生理的な正しい噛み合わせに一致させる為に、再びコンピューターを用いて十分の一ミリのレベルの精度で噛み合わせの調整を繰り返し、実際に入れ歯が完成するまでに半年の時間を要しました。
 しかし、それだけの時間を費やした結果、本来の噛み合わせを正確に復元。

この義歯を使われるようになって、それまで悩まされていた腰痛や関節痛も和らいできました。これは顎関節の改善も意味しています。

>> 3. 初診時の写真

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